one room

忘れたくないことと、忘れてしまったことについて

古いハウス

バイト終わり、
イヤホンからはNOAのプレイリストが流れます。
多分三曲目にさしかかった頃、
道を挟んだ向こう側、
「古いハウス」と書かれた黄色い看板が目に止まりました。
暗いのであまり良く見えませんでしたが、
確かにそこには、少し古い、洋風の建物があります。
周りをぐるりと色んなお店で囲まれていて、
それらに比べて看板の明かりも、ぼんやりとしています。
喫茶店か、夜のお店か、どちらだろうと思案していると、
携帯が光りだしました。
しばらく電話で話し込むと、それからまた、
看板へ目を戻しました。
すると、いつの間にか、
「古いハウス」は「占いハウス」になっています。
見間違いだったようです。
本格的な占いは、なんだか呪いのようで怖いので、
入るのはやめて帰ることにします。
プレイリストは、五曲目を流し始めました。