2016-11-26 吐息 私は友だちの横顔を見ていた。すぐ近くにいるけれど、彼女がもう、とんでもなく遠い場所にいることを、私は諦めながら理解していた。煙草を吸う横顔は、いつ見ていても綺麗だった。多分どんなに傷つけられようと、許してしまうような、少し怖い美しさ。「ナナみたいだね」と私は言ったと思う。友だちはふぅと煙を吐いた後、少し笑った。私はいつも寂しい。それでも、この友だちのこと、大好きだなぁと思う。バイバイと言う時、息が白くなっていたこと。きっと私しか知らない。