one room

忘れたくないことと、忘れてしまったことについて

酸素ボトル

久しぶりに、過呼吸になった。

二・三ヵ月越しでやってきた発作は、

なんだかたくさんチャージされてしまっていて、

これまでで一番酷かったかもしれない。

発作を起こす度に、一度は携帯を取る、

でも、誰に助けを求めることも出来ないし、

どうせそう長くは続かないので、

引き出しから紙袋取り出すことになる。

この方法、本当は良くないとか聞くけど、

今さら正しい方法を調べなくてもいい気がする。

ひゅーひゅーなる喉は、

まるで自分のものじゃないみたいで、少し怖い。

そこらじゅうにある酸素を、

独り占めするみたいに無駄にたくさん求めて、

もうそんなにいらないのに、

求めすぎたせいで苦しいのに、

なんで苦しいのか分かってるのに余計にまた求める。

自分じゃコントロール出来ない。

過呼吸と、私の寂しさは似てる。

構造がほとんど一緒だ。

勝手に涙が出てくる。

苦しい、どうすれば楽になるのか分からない。

それでも、しばらくすれば落ち着くようになる。

手に持っていた紙袋をくしゃくしゃにして投げる。

こんなものに救われたかったわけじゃないとか、

うわ言みたいに呟いて転がった。


さっき手放した携帯が光ってて、

友だちからのメッセージが浮かんでいた。

今はもう、夜中の二時。

こんな時間まで起きていて、

大丈夫なのかなと心配になる。

明日早出だって言ってた。

返信を考えていたら、なんだか急に、

空気が、寒い夏から、涼しい秋に変わった気がした。

唐突に見えた季節の変わり目、

まだ半泣きの私は、友だちにおやすみと送った。