one room

忘れたくないことと、忘れてしまったことについて

カレー

日付が変わって暫く、私はただ蹲っていた。
二月が終わり、三月が始まっている。
高校の部活の人達と集まり、だらだらとご飯を食べた。
元々六人いた部活の面々だが、今日集まったのは四人だった。
私と、友人と、部長と、もう一人。


薄利多売を謳い文句にしている居酒屋へ行った。
部長は歌うようにスラスラとメニューを読み上げ、大量の料理を注文し、
私と友人はとりあえず烏龍茶を頼み、
もう一人は途中でボンカレーを食べていた。
思い出話は特にしなかった。
部長の、恋愛に疲れたという話をしばらく聞き。
こんなに恋愛について熱弁しているのだから、
半年経たずに新しい恋人を作るであろうと思った。

部長は東京へ行くという。
この春保育科を卒業し、保育士になるという事だった。

友人と二人で、帰り道に何となく、全然関係の無い話をしていた。
それだけが救いのような気がしたし、
私は救われていたかったのだと思う。