2017-01-26 東京 「東京に行こう」と、友人は言った。それが、観光としてなのか、上京するということなのか、それらは、彼女から発されるまでの間に綺麗さっぱりと省略されていた。コンビニの窓の向こうには、仰々しいほどに空が赤く焼けてる。「向こうでバイトして暮らそう。貯金はできないかもしれないけれど、毎日暮らすことくらいならできるさ」私はしばらく、限りなく質素で、お気楽で、贅沢の限りを尽くした生活を思い浮かべた。「荷物はギターだけでいいかな」と返すと、「私は煙草だけでいいかな」と彼女は笑った。