one room

忘れたくないことと、忘れてしまったことについて

変化と恒常と

シンプルな服しか着なくなった。

無地のシャツにスキニーやパーカーばかり。

突然服の系統が変わることはあれど、

ここまでの変化は少し以外だった。

それでも何故か、お兄さんには、可愛くなったねと言われていたらしい。

らしい、としか表記できないのは、友だちから伝え聞いただけだから。

私は何だか物悲しいなった洋服棚をみては、なぜか少し清々していた。

気温は下がり、さて今年はどんなコートを買おうかと悩む。

悩みながら、ギターを弾く。

昨日褒められたフレーズ、嬉しくて、何回も。

昨日覚えられなかったコード進行、悔しくて何度も。

私はどこにたどり着けるのか、わからないままに。

柔らかい毛布に包まれるような夕方。

静かに休みを促す明け方。

ふらりふらりと歩かなくとも、ずっとそこにある時間を再生してゆく。


夜中、アルバイトから帰ってくると、

お兄さんから、LINEが届いていた。

メールでデータを送りたいと書いてあるので、アドレスを送る。

そして、送られてきたデータを開くと、

練習中の曲の、お手本を曲に合わせて弾いてある音声データでした。

二分と少し、じっとその音を聞いたあと、

お礼の言葉を考えて書いて送りました。

嬉しくて何度も聞きました。