one room

忘れたくないことと、忘れてしまったことについて

写真の中で

レキソタン飲みながらなんとかやっと現像してきた写真、
丁寧にベッドの上にばらまいて、

なんとなく満足して眺めていました。

初めて楽器屋さんに行った日の公園とか、
天邪鬼だから、夏の少し前に行った海とか、
お金使い果たす勢いで服を買いに隣町まで行った時の、
無秩序な感じの二人の笑顔とか。
友だちの誕生日プレゼント、一年分のアルバム。
自分の気分の波が酷いせいでなかなか完成しなかったけど。
いよいよ作らなければいけないなぁと思う。
写真の中の私たちはいつも二人似たような服を着てるのに、
なんでか全然似てない。

だんだん写真が見えなくなってくる。
さっきまでオレンジ一色に染まっていた部屋。
冷めてしまったココアが時間の経過を知らせてて、
すっかり深い青にのまれてしまって深海。
酸素はあるみたい。
深呼吸をして、散らかってる写真を一枚拾った。
まだ私たちが学生だった頃、最後の卒業式の写真。
茶髪なのに、一応校則通りの髪型、
制服の着こなしをしてる友だちと、
黒髪だけど、前髪は切るの忘れたふりしてて、
寒いと風邪引くとかいいながら、
こっそり白のセーター着込んでた私。
部室でお菓子食べながら写ってる。
写真の景色はさっきまでの私の部屋みたいなオレンジ。

ふとカレンダーを見た。
自分の誕生日より先に完成させなきゃいけないかな。
あ、ギターのお兄さんへのメッセージカードも書かなきゃ。
私の誕生日の一日後は、好きな人の誕生日。
好きそうな感じのシャツ、買って渡すんだ。
好きな人の好きなブランドのやつ。
頑張って買ってしまおう。
春とこの時期は大事な人たちの誕生日ラッシュです。

すっかりぬるいココア飲みほして、
冷蔵庫にお酒取りに行きます。
飲んだら寝てしまいそうだけれど、
まだ時間もあるし、明日もお休みだし、
それも悪くないかなと思います。