one room

忘れたくないことと、忘れてしまったことについて

夕方に見えない背中

今日、お店のレジから、マジックアワー眺めてたら、

いつの間にか退勤時間になっていた。

全部曖昧に朱が差して、ほの暗く優しい時間帯。

一日中夕方になればいいと、よく思う。

夕方になりかけの時間も、

マジックアワー眺める時間も、

もうほとんど夜の空気に変わった時間も、

ずっと好き。


いつか、友だちや、好きな人たちと、

夕方に揃って散歩に行きたいなと思う。

その時、三人の影は長く伸びて欲しいし、

身長は、でこぼこになるように並びたい。

三人分の缶ビール350ml三本ビニールに入れて、

適当な空き地で座って飲みたい。

好きな人はスイッチオフの真顔で、

友だちは少し不機嫌で、

それでも私は一人へらへら笑い続けてて。

帰りは、向こう岸の工場や、

住宅街の明かりを眺めながら、

お酒のせいで、みんなきっと、

少し上機嫌になって歩いていくんだ。

別れ際に手を振ったら、

二人とも、振り向かずにどこかへ帰るんだろうな。

でも、その頃にはきっと夜だから、

私が振り返っても何も見えないのかもしれない。


そういえば、今日、バイト終わってから、

友だちと二人で買い物へ行った。

真っ赤なチェックのマフラーがあった。

可愛かったので、

二人でこれいいねーって言いあった。

もうすぐ冬だ、

マフラー、今年は何色にしようかな。