one room

忘れたくないことと、忘れてしまったことについて

八月三十一日の翌日は

この日になると、毎年思うこと。

今日で本当にちゃんと八月、

終わらせられるだろうかって。


学生の頃だって、

宿題なんて七月にほとんど終わらせていたし、

新学期の準備も出来ているのに、

まだ終わらない気がしていた。

明日から、入道雲も、かき氷屋さんも、

みんないなくなった八月が続く。

そんな、嘘みたいなこと。


実際、次の日目を覚ませば、

カレンダーは九月のページで、

それでも、私の中では全然終わっていない。

夏休みの、先生が知らない課題が、

もしかしたら終わってないのかもしれない。

本当はちゃんと終わらせたい、そして、

苦しくて、怖い夏を早くおわらせてしまいたい。

九月、早く迎えにきて欲しい。


扇風機はまだ回り続けていて、

私の髪をオールバックにセットする。

「あーーーーー」

楽しくもない宇宙人ごっこ。

いつまでやっているんだろう。

今年は海も見たし、

背中で花火を聞きました。

浴衣を着て歩いた。

それでも、またあの予感が消えません。


夏の宿題、まだ終わっていないようです。

なんなのでしょうか、

近所の犬と目が合ったので、

視線にのせて聞いてみました。

真っ白な尻尾を振りながら、

何処かへ行ってしいます。

あの犬、なんだか答えを知っている気がしました。

白っぽいグレッチのギターが欲しくなりました。

少し似ている気がします。


喉なんて痛くないけれど、

のど飴を買います。

すーすーして、少し気分が晴れます。

いい加減終わらせなければいけないな、

と思いながら、

長引く八月をどう過ごそうか思案します。

終わっても、

終わらなくても、

なるべく楽しく過ごしたいと思います。


とりあえず、今日は夜ふかしをして、

八月の終わりが来るか、待っていようと思います。