2017-04-10 白の靄 一目みれば、泣いてしまうような桜だった。手に持っていたパンも、隣にいる友人も、全てが一瞬で桜に奪われ、遠くに連れていかれる。ポケット中の携帯には、先輩からのメッセージが届いていた。あの景色の中で、私はどれだけのものを掴み、それ以外を取りこぼしたのかわからない。ピアスは7個に増えて、いよいよといった感じだった。