one room

忘れたくないことと、忘れてしまったことについて

白の靄

一目みれば、泣いてしまうような桜だった。

手に持っていたパンも、隣にいる友人も、

全てが一瞬で桜に奪われ、遠くに連れていかれる。

ポケット中の携帯には、先輩からのメッセージが届いていた。

あの景色の中で、私はどれだけのものを掴み、それ以外を取りこぼしたのかわからない。

ピアスは7個に増えて、いよいよといった感じだった。

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