one room

忘れたくないことと、忘れてしまったことについて

相違する夢

私は下着だけの格好で、
ストーブの前に三角座りをしていた。
近くのテレビで紅白が映されていて、
好きな人は私の隣にやって来ると、
みかんを食べながら、
「あ、SMAPだね」と呟いた。
「そうですね」と返事をした。
笑顔で歌い、踊る彼らを見ながら、
私たちは何故か安心して、くすくすと笑っていた。
それから、安っぽいラブホテルの、
原色そのまま使って染めたようなクッションを抱え込んだまま、
みかんでお手玉をした。
途中で全部落として、二人で食べた。

そんな夢を見た。
夢の中のSMAPは、きっと解散しないんだろうなと、
起きた時になんとなく思った。
みかんは現実にもあったので、
一つ取って食べた。
あの夢の中に漂っていた、
生温い安心感のようなものは、探しても見つからなかった。