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きらきらの中に

日記とか考えていることとか

一年前に

自殺未遂をしてから、もうすぐ一年になる。

最近、大きな低気圧がやってきて、

ものすごい量の雨を降らせているけれど、

確か、私が死のうと決めた日は、

今日に風を足した、台風のような日だった。


あの日の私は、まだ正社員で、薬局の事務をしていた。

なんとも性格のきつい上司がいて、

なんだか大変苦労させられたのを覚えている。

その日の上司は、

薬局長の挨拶さえ返さないほどの不機嫌ぶりだった。

その当てつけは私にもれなくやってきて、

お昼休憩の頃には、頭と胃が捻じれるほど痛く、

それでも思考回路は麻痺したようにぼんやりしていた。

近くの自販機で買った水で、

安定剤を規定量より少しだけ多めに飲んだ。

そしてタバコを吸いながら、

もういいや、今日死んでしまおうと思った。

それから午後の業務中は、

どうやって死のうかと考えていた。

飛び降りは、一ヶ月前に試みて、

足がすくんで動けなくなった。

なにぶん、臆病な性分だった。

首吊りは、見つけた人のイメージに残りそうだから避けたかった。

上から人が紐にぶら下がってゆらゆらしながら死んでいるところなんて、

私だったら見たくない。

死んでいるものが揺れるという、動くという、

そこが多分気持ち悪い。

その気持ち悪さは、バラバラ死体とかより、

本能的にくるような気がした。


私が出した結論は、服薬自殺だった。

詳細に覚えていないけれど、あの時私は、

ハルシオン5シート

レキソタン5シート

デパス10シートを溜め込んでいた。

それらをお酒と飲めば、

まあ、運がよければ死ぬかなと思ったのだ。


会社を出る時、私に唯一優しくしてくれた、

大福みたいなオタクのお兄さんにだけ、

いつもより深く、丁寧に挨拶をしたのを覚えてる。


家に帰る途中、スーパーの医薬品売り場で、

ブロンと風邪薬を買った。

貯めてる薬だけでは、心許なかったから。


一旦家に帰り、お気に入りの服に着替えた。

そして、暴風雨の中をコンビニへ行き、

その時好きだった和菓子を買った。

自室に持ち帰ると、それを食べた。

そして、好きな人と同じくタバコを吸った。

アメリカンスピリットのライト。

それから、お酒と薬を飲みまくった。

雨も風も面白くて、窓を開けた。

風が強かったし、雨も冷たかったけれど、

少しだけ気持ちよかった。

あとはもう、覚えていない。


病院についてからの記憶が少しある。

でも、辛いと聞く胃洗浄のことは、

全くと言っていいほど、覚えていない。

目を覚ませば、病室。

ありきたりな感じがして少し拍子抜けした。

看護師さんが、優しく話しかけてきていたけど、

頭がぼーっとして、うまく返事ができなかった。

死ねなかったんだなぁと、その時やっと実感した。

安心も後悔も無かった。

すっきりした心持ちではあったけれど、

まっさらで、感情が見当たらなかった。


何時間かぼーっとしていると、

周りの状況が分かるようになった。

個室ではなく、救急センターのような場所のようで、

広い場所に仕切りがあり、

たくさんの患者さんが寝ていた。

その間を看護師さんや先生が巡っている。

私は手につた点滴を見た。

少しだけ血を逆流させたりした。

その日のうちに退院できて、

私は友達に会いに行った。

そしてその日、始めてギターのお兄さんと、練習をした。

そんな日。

夜ご飯は、ハンバーグを友だちと食べようとした。

でもやっぱり全部を食べれなくて残した。

友だちと話している途中、

ああ、死ななくても良かったかもと、

なんとなく思った。


それから、自分を少しだけ楽にしてあげようと思い、

次の日付で、会社を退職した。

晴れてさえいなかったけれど、

穏やかな曇りだった。


こんな感じで死のうとして、死ねなくて、今に至る。

この後二ヶ月のニート期間を過ごし、

始めたバイトは半年と少し続いている。


それでも今、死にたいと考えてしまう。

前回は仕事の人間関係とかが原因の殆どを占めていた、

今回はまあ、見捨てられたような、

置いていかれているような、

そんな不安が毎日続くのでしんどいという感じだ。

かれこれまともな食事なんて、

一ヶ月取っていない気がする。

一年に一回自殺未遂なんて、定期的にするものでもないだろうに。


電話越しに聞いた怒鳴り声と、

勝ち誇ったような言葉が、

空耳か幻聴になって私を取り巻く。

やめて欲しい。

夢を見れば、友だちが遠くに連れ去られる夢。

私はいらないと言われる。

そんなものばかり。


それでも、

今夜だって、希死念慮を安定剤と飲み込んで、

うまく消化しようと足掻いている。