one room

忘れたくないことと、忘れてしまったことについて

明日を探す

私の中の何かがコロコロと動く。

冷たくて硬かったけれど、

透き通っていて、たまにキラリと光るもの、

右の指先にコツリとぶつかると、

そのまま左の指先まで転がっていったり。

足のつま先に重たく沈んでいたりもする。


一昨日、ベースがとっても素敵で、

お話もとても上手なお兄さんに届け物をしに行った。

すごく喜んでくださって、

「おじさんお金だけは沢山持ってるから笑」って言って、

私に余分に千円渡して、

そんなにいらないと言っても、

絶対に返させてもらえなかった。

ブラックモンブランでも、

たくさん買いなさいと言われました。


そのままドラムのお兄さんと一緒に三人で話した。

お二人はとても話が上手なので、

私はとても楽しかった。


「スタジオ見ていく?」って聞かれたので、

「お願いしますっ」と答えました。

スタジオの中に入ると、

真っ赤なドラムがありました。

備え付けのではなく、

お兄さん個人のドラムセットみたいでした。

私は邪魔にならないように、

備え付けのドラムセットの中に隠れます。


それから、夢みたいな時間でした。

夢だったのかもしれなくて。

私は、この場所が本当に好きになりました。


私みたいな人にも話しかけてくれる人がいて、

素敵な音楽を作ってる人ばかりで。


私のことを後輩と呼んでくれる人がいて、

一人じゃない気がしました。

ここになら、居場所があるかもしれないと思いました。

すごく嬉しくて、

そして何より、絶対に私も、

ここにいる人みたいに、

心動くような、音楽を作りたいと思いました。


下手だと言われるし、

指も小さくて少し悲しかったりするけれど、

絶対に。