知らない
幸せになってねって、また言われた。
私はそんなに幸薄い顔をしているのだろうか。
他人が願わなければならないほどに。
夜勤のおじさん、私のこと、
知ったふうに友だちに話すらしい。
友だちはついに、
「あなたは、○○(私の名前)のこと、
ほんとに全然知らないんですね」と返したそう。
私は、何も知らないみたいな顔して、
なんとなく笑顔貼り付かせてはいるけれど、
そんなことない。
普通にこの世の中で生きてきた分くらいは知っている。
いつか話してやりたい。
私がしたえげつないことも、こと細く。
私はだめな人だよ。
だめで惨めで、可哀想な人だよ。