one room

忘れたくないことと、忘れてしまったことについて

十日後

欠陥していること。

足りてなくて、欠けていて、そこに何か無いこと。
何も無いけど、何も無い空間が、空白があること。
埋まらない、失われたなにかは、
そこにどうあったのか忘れられていく。
元から無いものは、
想像の中にぼんやり浮かび続けているけれど。

私は部屋にメモを貼る癖がある。
だいたいはドアの内側に貼っているのだけど、
最近、ベッドの横の壁に、
ギター練習用のメモを貼り付けてしまい、
それ以来、増殖を続けている模様。
アルペジオ好きだけど注意の紙が多いので悲しい。

今日のスタジオ。
ギターのお兄さんは、
なんだか黒魔術使えそうな服で登場。
しかもそれがとても似合ってて恰好いい。
練習はいつも通り厳しいけど楽しい。

ライブで弾く曲、
The OffspringのAll I Wantと、
中島美嘉のGLAMOROUS SKYの二曲。
十分くらいかな、素敵な時間にしたい。

ライブ十日前だけれど、
ドラムの人が仕事の関係で出れなくなり、
サポートとして、高校生のドラムさんに、
お願いすることになった。
学校と自分のバンドだけで忙しいはずなのに、
快く引き受けてくださった。
素敵で優しい人ばかり、すごい事だと思う。

深夜一時頃、ギターのお兄さんから電話。
「今度のライブ、絶対成功させよう。
ライブすごい楽しいき、それを思いっきり味わって」

電話を切った手が、まっすぐギターに伸びる。
練習、しよう。

なんだか幻聴がうるさい。
ドラムのかわり見つかるまで、
心配で三日、ほとんど寝てなかったから。
でも今日はまだ寝ないよ。
練習したくて仕方が無い。

窓からちらりちらり覗く不安をカーテンで閉め切った。

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