one room

忘れたくないことと、忘れてしまったことについて

スタジオ

賑やかな日です。

ギターのお兄さんが帰ってきて、

久しぶりに、スタジオで練習があります。

白いシャツ、白のスカート、パーカーにコート。

少し戻ってきた冬の寒さに困惑しつつ、

マフラーを巻いて外に出ました。


六時、スタジオへ行くと、

高校生のドラムさんがいました。

赤いパーカーの上から、黒いパーカーを着ています。

持ってるバッグは、ギターのお兄さんの好きな豹柄。

「お疲れ様です」とお決まりの挨拶。

お兄さんが現れると、

二人でお兄さんの所へ走ります。

その後、私はお兄さんと、友だちと二時間、

スタジオ練習頑張りました。

ドラムさんはそのまま待合室で待機みたいです。

ピッキング、振り切れていて良いと褒めてもらえました。

嬉しい。

でも、私の手が小さすぎて、

うまく収まりません。

せめて広がるようになればと思います。


スタジオ練習終えて、待合室へ行くと、

動物の名前のギターのお兄さんと、

優しいイベンターの受付のお兄さんと、

音響担当の細いお兄さんと、

ドラムさんがいました。

どうやら、

動物のお兄さんの持っている、

八弦ギターの話題で持ち切りです。

八弦もあると、なんだか別の楽器です。

みんなからは、見た目がそもそもかっこよくないと、

いろいろ言われています。

ギターのお兄さんも弾かせてと言って、

試しに何か弾いていましたが、

「うわー!これ弾きにきーわ!」

と笑っていました。

友だちは、弦の交換をしていましたが、

オクターブ調整とか大変そうです。

朝からブラックサンダーしか食べてなくて、

お腹減っていた私は、

朝からハッピーターンしか食べていないらしい、

動物のお兄さんと二人で、

友だちが買ってきてくれたたい焼きを食べます。

もちもちしてて美味しくて一瞬で食べました。

その頃ギターのお兄さんの電話が鳴り、

お兄さんが一旦外へ出ました。


私とドラムの人と動物のお兄さん、

ギターのお兄さんのiPadを開いて、

勝手にTwitterを更新したりして、

いたずらしました。

LINEは、金髪のお兄さんに、

ギターのお兄さんのふりをして、

絶対送らないようなスタンプとか送って遊びました。

ブラウザは、パスワードがかかっていて、

開きません。

「自分の名前と誕生日やろ」とか、

「ビジュアル、メタル、とかやない?」とか、

わいわいしながらパスワード予想して遊びました。

Twitterは、帰ってきたお兄さんに、

ツイートを削除されてしまいました。

でも、その場のみんな、

自分のiPhoneでスクショしていました。


たしか十一時くらいまで、

そんな感じで、みんなスタジオで話していました。

帰る間際、動物のお兄さんに

「じゃあ、対バンの時よろしくね」って言われました。

対バン。

静かに言葉が震えそうになりました。

「こちらこそ、よろしくお願いしますっ」

と、なんとか返事しました。


いつも寂しくて不安な私が、

寂しくないと思えた、賑やかさです。

こんな場所にずっと居られたなら、

そう願わずには、いられません。