one room

忘れたくないことと、忘れてしまったことについて

ポケットにスミノフ

今日はギターのお兄さんのライブの日。

少し寒くて、ふわふわの洋服にコートを羽織った。


ライブハウスに着くと、時間ぎりぎりで、

一番目のバンドが始まった時だった。

階段をかけ降りる。

動画サイトで曲を聞いて以来、

すごく好きだったバンド目の前で見れて、

大好きな曲が聞ける。

この間お兄さんが、バンドをしている人、

要するに自分たちのことを自虐して、

「音を楽しむことしか生きがいがないクズ」

って言っていたけど、

生きがいがあることは、実はすごく尊いこと、

今この時を、何の生きがいも自覚せず、

なんとなく生きてる人は、どんなに偉い人でも、

悲しい人になってしまうと、思うから。


お兄さんたちのバンドはトリだった。

いつもは怖くて後ろから見てたけど、

今日は、前に行ってみた。

近くで、見たいと思ったから。

綺麗だった。

今日も赤色は本当に綺麗だった。

今日はきっと、みんな赤色の夢を見るよ。

そのくらい鮮烈な、きらめく赤色だった。

怪我してたって、赤色はくすんだりしなかった。


ライブの後、物販でCDを二枚買った。

一つは好きだったバンドの、

もう一つは、お兄さんのバンドの。

お兄さんのバンドのところで買う時、

ドラムの人が物販にいらっしゃった。

「あ、ギターの子だよね!ギター頑張ってね!」

って言われた。

嬉しい、とても、嬉しい。

「はいっ!頑張ります!」って返事をした。

スタジオですれ違ったり、

じゃがりこ分けてもらったり、

それだけなのに、誰かの記憶の中に、

私がちゃんといたことが、

本当に嬉しくて仕方なかった。

そのうえ、頑張ってって、応援してくれた。

頑張る、頑張る。


帰り道、ドリンクチケットを交換し忘れてて、

慌てて交換した。

コートのポケットにスミノフ突っ込んで帰る。

家に帰ったら、ギター弾こう。


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