one room

忘れたくないことと、忘れてしまったことについて

忘れたいこと

自分の考えや感覚が、
ただ静かに、輪郭が明確で、
一定のリズムから少し外れて波打っている時。
私は、文章を書きたくなる。
多分、そして、そんな時に書いたものの方が、
普段のものより幾分か意味があると思う。

何かが足りなくて、それを求めている時、
満たされて、安全な場所にはないものが、
圧倒的な存在感でそこにある、ような気がする。

冬の日、すごく寒くて、
早く室内へ入って温まりたくて。
でも、いつもより少しだけ鮮明に見える視界とか、
切り裂かれるほどの温度の風が、
逃げたいようで、でも、手放しがたいような。

忘年会という文字がちらつく道を、
私はそんなこと考えながら進む。
私は、記憶していないことが怖くて、
記録や記憶に執着しているところがあるから、
忘年会という文字を見ると、
よくわからない感情が渦巻く。
全部、忘れたくない。
辛くても悲しくても、絶対に。

そういえば、
昨日、ギターのお兄さんに、
「弦を切るくらいの勢いで」って言われて、
ほんとに切ったことは、
少しだけ忘れたい。
恥ずかしかった。

でもやっぱり、
その後、お兄さんに4弦だけもらったこととか、
そういうのは忘れたくないから、
ちゃんと覚えておく。

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