一時二十二分と三時八分の間
人生で初めて、ベッドから落ちて目を覚ました。
ふわりと着地できたのは、
私より先に、布団が落ちていたから。
この、落ちていた布団が、
一体いつからそうなっていたか分からないけれど、
私の手足は、ほとんど死んでいるみたいに冷たい。
暖房器具のない私の部屋は、
息が白くなるほどに寒い。
私の頭の少し先に、携帯が落ちている。
背伸びをするみたいにして手探りで掴む。
画面には、好きな人からの、
「まだ起きてますかー?笑」
というメッセージが浮かんでいる。
この人、語尾にいつも、笑がついてる。
本人も大抵にこにこしている。
でも、二人で会ったりする時は、
結構真顔。
明るい場所が似合うのに、
暗いところが好きだと言うし。
不思議だなぁと思う。
メッセージの着信は一時二十二分。
今の時間、三時八分。
きっと寝てしまったかなと思いながら返信を打つ。
その後、きっと眠れなくなるから、
起床時間まであと二時間。
自分と布団をベッドの上に引き上げて、
丸まった。