one room

忘れたくないことと、忘れてしまったことについて

深夜に徘徊する

二十一時、バイトが終わりました。

マフラーとコートで寒さを防いで、

友だちと遊びに行きます。

記憶と匂いは、とても近い気がします。

最近これについて考えるの二度目です。


二人で楽器を持って、河川敷へ行きました。

雨が少し降っていたので、

大きな橋の下で練習します。

雨は小さな水たまりを作っていて、

それが、オレンジの街頭を写して、

ただ静かに光っていました。

他に明かりはなくて、手探りでフレッドを押さえます。

そのうち、携帯のランプをつけて置きました。

お互いの顔が、なんとなく見えるようになります。

練習の合間に、GREEN DAYのライブ映像を見ました。

橋の下なので、音が反響して聞こえます。


そのうち寒さに耐えきれなくなって、

コンビニへ行きました。

肉まんやあんまんを食べたかったのですが、

十二時を回っている時間、もうなくなっていました。

二人で焼き鳥を買って、半分こして食べました。


それからたくさん話をしました。

友だちはコーヒー、私はココアを飲んでいました。

おやつは、バイト先のおばさんからもらった、

お煎餅がありました。

私は何も知らなくて、知らされて、

すごく心細くなったりしました。

でも、やっぱり楽しくて、楽しくて、

余計に寂しくなりました。

どうすればいいのか、分からなくて。

街灯の明かりが消える頃、

家に帰る友だちを見送ります。

雨はまだ降っていて、

ガラスについた水滴がきらきらと光っていました。

私はしばらくそれを見ていましたが、

そのうち眠ってしまいました。