one room

忘れたくないことと、忘れてしまったことについて

スーパーと

色とりどりの野菜が、真っ白な棚に並べられていて、

あちこちを子どもを連れた大人が歩いてる。

子どもは、大人が持つカゴに入れられる野菜を見ながら、

あちこちで溜息を漏らしては、

目に痛いおもちゃ付きのお菓子を手に走ってた。

買ってもらえて満足そうだったり、

うまくいかず泣いていたり。


私と友だちは、そんな中を歩きながら、

今日の晩ごはんを選んでいた。

目指すのはお肉コーナー。

今日はシフトの関係で友だちの家に泊まるので、

二人で焼肉をするのです。

私は、お肉は友だちに任せきりで、

ただふらふらと後をついて歩きます。

半値になっていたお寿司も、

一パックだけカゴに入れた。

食後の楽しみに、オレンジジュースもひとつ買う。


私は、誰かと晩ごはんの材料を買いに行くのが好き。

本当に、少しだけ幸せな気分になれる。

たくさんの人が並んでいる、

レジに私たちも二人並んで、会計を済ませた。

後ろでは、子どもが床に寝そべって、

最終段階のおねだりを始めています。


友だちの家に帰ると、友だちのお母さんがいて、

肉じゃがや春巻きを作ってくださっていました。

どれも美味しくて、楽しかったです。

食後には、友だちがカシオレ作ってくれました。

二人で飲んで、遅くまで話しました。

好きな音楽の話をたくさんしながら、

自分たちの話も、少しだけしました。

友だちは途中でベースを弾き始めて、

私はそれを聞いていました。

私はなんだかすごく悲しくなってしまって、

ぐずつく感情必死に隠しました。

それから多分夜中の三時頃。

多分二人同時に寝てしまいました。

朝五時。

二人の携帯からアラームが一斉に鳴り響きます。

昨日の夜とっておいた朝ごはん食べて出勤します。