one room

忘れたくないことと、忘れてしまったことについて

楽しいこと

今日のは、フィクションです。
(って書かないとまずいことになるので)
フィクションです。
二回書きました。

今日は朝から、
反社会勢力(自称)なおじさんのとこでバイトする。
朝九時集合。
めちゃくちゃ健康的な起床時間でした。
夕方四時解散。
小学生とともに帰宅しました。
すごい…よく分からない…。
でもバイト中に猫追いかけ回してても怒られない。
寛容だった。
猫見るとすごく追いかけたくなる。

バイト中に、好きな人から連絡。
「赤玉(エリミンのこと)持ってない?」
ってきてた。
記憶を探すと、赤色のシートの睡眠薬を思い出した。
でも、ちょっと悪いことに使った後、
どこにしまったか、そもそもどこかにまだあるのか、
全然思い出せない。
健忘かな、多分そうなんだろうな。
エリミンあるかわからない…
ハルシオンとかレキソタンでも大丈夫?」
って返信した。
どうやら大丈夫みたい。

夕方、自転車にのって、スーパーに向かう。
適当に可愛い袋を選んで買った。
家に帰って、
なんだかふわふわしている、
可愛らしい袋に、無機質な薬のシートを詰めていく。
指先にひんやりとした冷たさが染みてくる。
だけど、ずっと、お願いしながら触れてた。
少しでも、好きな人が、ゆっくり眠れるといいなって、
あと、もしあわゆくば、
その時見る夢に、私が出てくればいいなって、
そんなお願い。

夜の九時、好きな人がコンビニに来る。
バイク、かっこいいなぁと思う。
大きなバイクが、私の目の前でぴたりと止まった。
にこにこしてない、少し疲れた顔。
本当に眠れてないみたいだった。
私には見えないし、好きな人は見てないけど、
今日の空は星が綺麗だと聞いたよ。
さっきすれ違ってた中学生が言ってた。
私には真っ暗に見える空を見上げながら、
「どうぞ」って、袋を渡した。
好きな人は、どこを見てるかわからない、
「ありがとう」って、包みを受け取ってた。
それから二人で、楽しいことないかなーって、
そんな話をした。
楽しいことってなんだろう。
よく分からないよ。
だから薬に頼ってしまうのかな。

楽しくなれる薬が欲しいねって言う。
「めちゃくちゃ鬱みたいな感じで病院いこう」
「なにも楽しくない…みたいな」
「待合室の隅っこにうずくまってさ」
「名前呼ばれても立ち上がらないとか!」
「いいねー」
「ですねー」
アメスピの煙は二人の会話の間に流れる。
しばらくまるで悪ガキみたいな会話をしながら笑った。

楽しいこと、あるといいな。