one room

忘れたくないことと、忘れてしまったことについて

飛び越えたい三階

今日はスタジオ水曜日。

昨日作ったCDを忘れたりして遅刻気味に出発します。

途中で友だちから電話が来て、

とても焦る。

なんとか二時までに到着して、

古い階段を一つ飛ばしで三階まで駆けて、

からんからんって鳴るドアを引っ張りました。


Cスタの前、細長くて赤いお兄さんを発見します。

「すみません…遅くなりました!」

「いやいや気にせんでいいよー」

お兄さんは怒ってなくて、一安心です。


スタジオに入ると、

友だちはチューニングをしているところでした。

「うわーごめんー!」挨拶より先に謝ります。

「あはははは」笑われました。

二人とも怒ってなくて、本当に良かったです。


何故か今日はお兄さんが、

アンプを二つ引き擦ってきました。

「今日、これ使ってみる?」

「わー!」

大きなアンプはとてもかっこよくて、

すごくわくわくしました。

いつもは、スタジオ備え付けのBOXだったので、

初めての大きなアンプでした。

大きなアンプは低い音がかっこよくて、

弾くのがとても楽しかったです。

Cスタは狭いので、

私たち三人とお兄さんのアンプ(大きい)二つと、

備え付けのベーアンやドラムなどでぎゅうぎゅうです。

そのせいか、暑がりなお兄さんは、

一人だけ半袖だったけれど、

それでもまだ暑かったらしく、

「クーラー入れていい?」って言っていました。

私は久しぶりにクーラーの風に当たります。

人工的な涼しさが、部屋に満ちていきました。

お兄さんは、レッドブルを飲みながら、

ミンティアも食べていました。

寝不足かなぁって、少し心配になります。

全員のチューニングが終わって、

それから、三人で合わせて弾いてみました。

やっぱり、三人で弾くのはとても楽しいです。

一時間が過ぎた頃から、

雑談が始まりました。

お兄さんにこの間貰ったCDの曲を、

お願いしたら、目の前で弾いてくれました。

弾き方、少し教えてもらいました。

色んなことが少しずつできるようになるのは嬉しいです。

友だちが、雑誌に載っていたベースをお兄さんに見せると、

お兄さんは、隣のページのドラムセットを見ていて、

「この人、絶対L'Arc-en-Ciel好きやん」

って言います。

調べたら、ほんとに好きだったみたいで、

二人で驚きました。


その頃、Bスタにお花まみれのおじさんが、

にこにこしながら入っていくのが見えました。

しばらくすると、リコーダーに似た、

笛の音が聞こえてきます。

たまにスタジオですれちがうのですが、

あの人は一体何者なんでしょうか。


練習はなんだかそんな感じで終わりました。

ブリッチミュートの練習すると、

右腕が筋肉痛になるのできついです。

でも、最後あたり、褒めてもらえたりして、

とても嬉しかったです。


スタジオから出ると、

友だちの車の中で話をしました。

途中で泣いてしまったりして、

自分のどうしようもなさを痛感します。

それでも、ちゃんと聞いてくれる友だちは、

とても優しいです。


三時間くらい、話していたら、

引き続きスタジオに入っていたお兄さんが、

車の移動のために降りてきました。

ここの駐車場は、少し狭すぎます。


外で、三人で話します。

お兄さんは、ライブハウスの半分を、

自分のファンで埋めたいって言っていて、

すごい目標だと思いました。

達成したところを見てみたい、

絶対すごい光景だなあって思いました。

ベンチがそばにあるのに、誰も座らなくて、

ずっと立ち話をしていました。

いつか、三人で飲みに行くって約束、

早く実現されないかなぁって思います。


お疲れ様でしたって言って、

家へ帰ります。

途中でファーストフードのお店で買い物をします。

食べながら帰りました。

人と別れたあとはご飯が美味しくない。

一緒に食べたかったって、思ってしまうからだろうか。


ほんとはどうでもいいことを、

大切だって思い込める間に、

やりたいことが沢山ありすぎる。

なかなか人に説明出来ない私の気持ちも、

いつか、ちゃんと伝えたい。