one room

忘れたくないことと、忘れてしまったことについて

弱い季節

帰宅するなりベッドの上で足を投げ出して、そのままアルコールの入った缶をぷつりと開ける。小さな穴からいくつかの気泡が浮かんでくるのが見える。薄曇りの今日も、空は薄らと赤くなりかけていた。そのまま500ml飲むだけではどうしようもない気分なので、そ…

明日を探す

私の中の何かがコロコロと動く。冷たくて硬かったけれど、透き通っていて、たまにキラリと光るもの、右の指先にコツリとぶつかると、そのまま左の指先まで転がっていったり。足のつま先に重たく沈んでいたりもする。一昨日、ベースがとっても素敵で、お話も…

飛び込む先に

週の終わりの始まり金曜日に向けて、明日には私何も変わらないけど、きっと少しでも何か見つけたくて、夜の青の中にダイブしていく。バイト終わり、友だちとピクニックへ行く。晴天じゃなかったけれど、ひきこもりに優しいくらいの気候で、私たちは二人で、…

甘い唇

古い本から発せられる独特の匂い。それだけのために、図書館の書庫で蹲り本を読んだ。小学生の頃、南条あやさんの日記を読むために、毎日ここへ来ていたことを思い出す。貸出許可だったけれど、両親に見られるのが怖くて、ここで一冊読みきった。ここにある…

寂しいのは誰しも

雨が降っている日。雨音以外が雑音になってしまったように、ただ、それだけを聞こうとしている。バイト終わって、家に戻ると、壊した時計を買ってくるように言われた。時計の秒針の音、苦手すぎて投げて壊した。隣の部屋にあっても聞こえる時は、気になって…

知らない

幸せになってねって、また言われた。私はそんなに幸薄い顔をしているのだろうか。他人が願わなければならないほどに。夜勤のおじさん、私のこと、知ったふうに友だちに話すらしい。友だちはついに、「あなたは、○○(私の名前)のこと、ほんとに全然知らないんで…

知らない人と、知らないままに話した

深夜三時のこと。シャンプーとか、リンスとかの、甘ったるい匂いが残る髪を、四月の終わり、少し生暖かい風が揺らした。乾かしていないで、さっき下ろしたばかりのブラウスに、髪から水分が伝ってしみを作っている。私の右目はまだ腫れていて、一重のまま。…

さようならと呟く君に

夢を見ました。青っぽい世界で、私は泣いていました。すると、ギターのお兄さんがあらわれて、頭を撫でて、慰めてくれるのです。私は、ああ、もう大丈夫だと思って、目を覚ましました。ベッドから這出ると、ごろごろと転がって、部屋の隅まで移動しました。…

少しだけ思う

今、毛布にくるまって、友だちの部屋の床の上。少し寒い。友だちは、電気消し忘れて寝てるので、薄緑の毛布から光が漏れてくる。視界が薄緑色。Twitterは、なんだかいい事言った人、いいことした人が勝ちみたいな、なんか変な空気。小学校の頃、クラスでやっ…

自動販売機と気温

スタジオ練習の後、待合室みたいなところで二時間。ギターのお兄さんと話してた。次弾きたい曲の話。お兄さんがギターの人と仲良しで、今は解散してしまったバンドの話。エフェクターの話。そのうちBスタにいらっしゃったバンドさんが出てきて、なぜか私たち…

桜に酔えば、

私と友だちの話。私たちは、とても仲が良いといわれれば、また、絶対に合わないでしょ?と言われたり。見る人によって、両極端な反応をする。それは、その人が私たちをよく知っているかとか、そういうの全く関係なく。好きな人は、とても良く似ていて、お互…

色を映し移す白

朝起きて、ギターを抱えて自転車を漕ぐ。確か空は真っ青で、空気は少し冷たかった。友だちの家に着くまで、めずらしく何も曲を聞かずに行った。耳にイヤホンが無いと、少し心許なくて、涼しい。昨日の夜は、ぎりぎりまでスタジオで練習して、そう言えば、衣…

声出して、

ライブ二日前、スタジオ終わって待合室みたいなところ。ふわりとした金髪の元ボーカル、現在ベースのお兄さんに遭遇。話し方はいつも通りとても丁寧。抱えてきたベースを取り出して弾き始める。「明後日、楽しみだね」と言われる。明後日なんだと、実感の沸か…

こっそりカフェオレ

今日でライブ前は、お兄さんとの練習最終日。頑張ってねと、スタジオの自動販売機でカフェオレ買ってもらって、(本当は)飲食禁止のスタジオの中で、こっそり乾杯しました。隣の部屋からの音漏れがBGM代わりです。カフェオレは甘くて、あったかくて、とても落…

掃除したら灰皿が倒れる

今日は、お休みの日、昨日帰ってきたの1時とかだったので、お昼まで寝てた。起きて、スタジオに来週分の予約をしました。合計五日、十二時間。あと、お兄さんとの練習一日、二時間。来週はほとんど毎日通うことになりそうです。ライブ一週間前からスタジオ半…

十日後

欠陥していること。足りてなくて、欠けていて、そこに何か無いこと。何も無いけど、何も無い空間が、空白があること。埋まらない、失われたなにかは、そこにどうあったのか忘れられていく。元から無いものは、想像の中にぼんやり浮かび続けているけれど。私…

スタジオ

賑やかな日です。ギターのお兄さんが帰ってきて、久しぶりに、スタジオで練習があります。白いシャツ、白のスカート、パーカーにコート。少し戻ってきた冬の寒さに困惑しつつ、マフラーを巻いて外に出ました。六時、スタジオへ行くと、高校生のドラムさんが…

青色楕円の夢の先

眠れるかなと思ったけれど、一時間くらいで目が覚めてしまった。夢の中で私は、道の真ん中に立って、泣き声を聞いていた。誰かなと思って、キョロキョロするけれど、人は誰もいなくって、気づいたら私が泣いてたってオチだった。私は猫じゃらしを摘んで、左…

携帯と炭酸水

誰が何を考えているかなんて、全くわからないのが常で、そんな場所で、どうして息ができるの。私は自分のこと、もっと痩せなきゃだと思う。けれど、バイト先の男の子から、全然そんなことないと言われ、焼肉弁当みたいなのおすすめされた。結果、チゲスープ…

夜のこと

夜の考え事は、それはそれは重たく湿っている。その湿ったものを絞れば、夜の藍色が流れ出すけど、私はというと、そのもの自体を抱いて寝ているので、白い服が、寝ている間にだんだんと藍色に染まってゆく。洗えばまた白に戻ることを知っている私は、何も気…

春になろうと、動く手前、雪

三月を目の前に、雪。冬が、最後にそれらしい挨拶をしてるなぁと眺める。大好きだったよ。また冬になったらよろしくね。吐く息が白いのも、マフラーをまくのも、雪を眺めるのも、私大好きだから。春は変化の季節で、今までずっと苦手だった。変化すること自…

生きたリズムで行進するんだ

好きな人の好きな人の曲、聞きながらこれ書いてる。タイトルはその歌詞、とても好き。KenYokoyamaさんのLet The Beat Carry On。私の頭の中、いつもこんがらがっていて、自分でもほとほと困っているけど、この人の音楽を聴いてる時だけ、雲の切れ間の青空み…

海と私

考えていること。それらが、少しづつ形を変えながら、色を濁している気がした。朝起きて、それに気づいた。朝食にコンビニで買ったくるみを食べてみる。牛乳パックにストロー刺そうとしたら、ストローの方が折れてしまった。夏に短くした私の髪も肩くらいま…

ご飯が食べられなくなった

夜の八時、コンビニでのバイト中、突然、フライヤーや、お弁当類を見て、吐き気がこみ上げてきました。お客さんがレジに持ってくるお弁当も、自分で揚げに行くフライヤーも、全部がなんだか気持ち悪くて仕方ないのです。年上のお姉さんにレジを頼んで、トイ…

生活をする話

頭が痛くて仕方ない。最近ご飯が適当だったのせいかもしれない。おかゆとか食べたいけれど、作る元気が足りないので、バイト先で、飲むヨーグルトとさけるチーズ、アイスの実を買う。適当に甘いもの補給して寝たかった。飲むヨーグルトは多分、健康的な気が…

ポケットにスミノフ

今日はギターのお兄さんのライブの日。少し寒くて、ふわふわの洋服にコートを羽織った。ライブハウスに着くと、時間ぎりぎりで、一番目のバンドが始まった時だった。階段をかけ降りる。動画サイトで曲を聞いて以来、すごく好きだったバンド目の前で見れて、…

眠らない日

隣町の駅から歩く。なんでそんなことになったかと言うと、多分寝過ごしたと思って慌てておりたせい。仕方ないから歩いてる。ギターのお兄さんに、今日は送ってもらうから、急がなきゃいけないなと思って、焦る。焦ると、視界がだんだん青っぽくなっていく、…

色水に体を浸す日

飲み切る前に飽きてしまって、そのまま忘れてしまったペットボトル入りのジュース。三本くらい転がっているの見つけて、小さなころ、折り紙や花で作った色水を、空になったペットボトルに入れてたの、思い出した。思い出しながら、適当な袋につめて捨てた。…

白いニット

雪が降った日、朝起きるともう朝じゃなくて。雪は溶けていたし、弟たちは学校へ行った後、静かな家で、私は一人、十二時過ぎの時計を見た。夢うつつのどこかで、好きな人の、「もう、雪も見たし、春でいいよね」って声が聞こえた気がした。メールをしたのか、…

寂しい建物、あと、大きな木と二匹の犬

初雪を見ながら、バイト先で、ゴミ箱のビニール袋、取り出してる時、ふと、思った。このタイミングで、考え事のスイッチが入ってしまった。いつも突然くるこの感じ。いつも適当に巡らせていた考え事が、一気に繋がっていく。そして私は、それについて考える…